日本人の猫背の割合は約8割と言われています。みなさんはどうでしょうか?見た目の影響もさることながら、実はさまざまな身体の不調の要因となる「猫背」(※前回のブログ参照)
癖づいてしまったものだから…子供の頃から猫背だし…もう年だし仕方がないでしょ…
そんな風に諦めていませんか?猫背は本当に治らないのでしょうか?
目次
猫背は生まれつきなのか?猫背の根本原因
よく、「子供の頃から猫背です」「子供の頃から姿勢を正しなさいとよく言われていました」という方がいます。猫背は生まれつきなのでしょうか?実際は生まれつき猫背の人はほとんどいません。
猫背は後天的な習慣で作られてしまうものなのです。
1歳~2歳位の歩き始めの子供の姿勢を想像してみて下さい。猫背のお子様は想像できませんよね?その年代の子供は体全体に対して頭がとても重く、その重さを支えるだけの筋力が十分にありません。ですから頭の位置を重心位置の真上に置いてバランスを取りながら歩いているのです。その結果、背筋がきれいに伸びているのです。
それに対して小学生くらいになってくると、ある程度筋力もつき、仮に悪い姿勢、猫背のままでも頭を支えることができてしまいます。故に、その頃から姿勢の悪さが気になってくることが多いのではないでしょうか。現代では小学生でも塾に通って長時間勉強をしたり、スマホやタブレット、ゲーム機に夢中になって、悪い姿勢のまま座りっぱなしになる時間が増えている傾向にあり、小学生、中学生の猫背も増えてきている印象があります。
子供に限らず、大人もしかり。日本人は世界でも座っている時間が長い国No.1という統計結果がでています。長時間座っている、歩行不足、これらが体幹の筋力低下や骨盤の機能低下(骨盤の歪み、関節が動かないetc.)につながり、猫背の根本原因なのです。
世界20カ国で18~65歳、4万9493人の平日の平均座位時間を国ごとに調べた。日本は420分で第1位だった。【データ:Am J Prev Med. 2011 Aug;41(2):228-35】
猫背のセルフチェック法
日本人の約8割が猫背、または猫背予備軍と言われています。あなたはどうですか?自分の姿勢は自分ではなかなか気づきにくいものです。猫背かどうか、壁を使ってご自身の状態をセルフチェックできる簡単な方法をご紹介します。
①壁に背を向けた状態で、両足のかかとを壁に付ける
②その状態で壁に身体をあずける
ポイントは無理に壁に身体を押し付けない事。力を入れず、自然な状態にした際に首、肩、腰(骨盤)、3つの部位がどのように壁と接触するのかで状態を確認する事ができます。
腰と壁に手のひら程度の隙間があり、かかとと後頭部が壁に付いていれば「良い姿勢」といえます。
姿勢を正すとは?
「猫背を正しなさい」と言われたとき、みなさんはどうしますか?
■正しい立ち方
背筋を伸ばして両肩を後ろに引いて胸を張って…いわゆる「気を付けの姿勢」が「いい姿勢」と思っていませんか?
実はこれは間違った方法です!多くの方がこれをやってしまいがちですが、これでは肩に力が入り、腰が反ってしまうため、肩こりや腰痛を悪化させる原因になります。
本来の人間の体のしくみから見れば、「気を付け」の姿勢はかなり不自然な姿勢。日常生活での立ち方には適していません。ちなみに、この「気を付け」を正しい姿勢として学校で教えているのは、世界でも日本くらいなんだとか…
正しい立ち方
①足幅は肩幅よりやや狭く、骨盤の幅で立つ ※足裏全体に体重を乗せるイメージ
②肩の力を抜く
③”みぞおち”当たりからも「ふ~っ」と力を抜く
④お腹を少し凹まし、頭の上から引っ張られているようなイメージでおへそを立てる。※これで腹筋に力が入ります。
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上記が体に負担をかけない「正しい立ち方」。
一番のポイントは背骨です。人間の背骨は、横からみると緩やかなS字を描いた状態が本来の姿。S字のカーブによって、重力を分散させ関節や首、脳への衝撃を吸収しています。それに対して「気を付け」の姿勢では、背骨のS字カーブが失われてしまうため、衝撃を吸収することができなくなってしまいます。
正しい姿勢とは、ひとの体重が最もかかる腰の部分の背骨をできるだけまっすぐにして立つことなのです。
■正しい座り方
先に述べた通り、日常生活では座っている時間が圧倒的に長い日本人。つまり、猫背を直すには「立っている姿勢」よりも「座っている姿勢」を改善する方が効率的といえます。しかも、実は⼈間の⾝体は⽴っている時よりも、座っている時の⽅が、腰への負担が⼤きいため腰痛の原因になることもあるので、座り方は要注意です。
正しい座り姿勢を理解して、少しでも⾝体に負担の少ない座り⽅を癖づけましょう。
正しい座り方
①骨盤を立てる
※右の画像の様に坐骨が座面に当たるように座ります。
②両膝は90度、足裏全体がしっかり床についている
③肩の力は抜いて、顎を軽く引く
これが体への負担が一番少ない正しい座り方です。
もし逆にこの座り方が疲れてしまうようなら、体幹が弱かったり、骨盤が固まっていて正しい姿勢をキープするために必要な体の使い方が、きちんと身についていない状態と言えます。
●デスクワークでパソコンを使用する場合
上記の座り方にプラスして、脇を軽く閉めるようにしましょう。脇が開くと肩が内側へ巻き込みやすく猫背になりやすいだけでなく、肩が上がってしまうので肩こりの原因になってしまいます。デスクの高さやパソコンを使用する位置などによっても、腕が上がりすぎたり、首が前に出すぎたり、と良くない姿勢になりやすいので、ご自身に合う位置で使用することをオススメします。
●車を運転するとき
長時間の運転は骨盤が後継したままタイヤからの振動も加わり、骨盤が壊れる要因になります。背もたれは必要以上に倒さずに骨盤を立てるイメージでまっすぐ座りましょう。左右どちらかに傾きやすいので、ハンドルに対してまっすぐ座るようにしましょう。
「骨盤を立てる」というのが良くわからない方は治療院の先生に相談してみてください。また、骨盤を立てた正しい座り姿勢をサポートしてくれるクッションなどもありますので、活用するのもおすすめです。
当院でできること
施術方針
当院の施術方針はいたってシンプルです。
- 過去のケガ、病歴
- 過去と現在しているスポーツや習い事、仕事
- 日常生活の動作でどんな姿勢が多いか
- 骨盤の状態とそこから腰、背柱をはじめとして全身への影響がどう出ているのか?
- 歩き姿
この5つの点を抑えることが、根本から改善することになり本来の体を取り戻すことにつながります。この点をしっかり把握し、問題ある部分を改善していきます。
頭の重さはスイカと同じくらいの5~8キロほどあります。その重さを支えている首や肩への負荷は、姿勢が正しい状態とくずれた姿勢の状態ではおおよそ3倍も負荷のかかり方が違うといわれています。
また、頭を支えている首の骨である頚椎。それを支えようと、頭や頚椎にくっついてバランスを取るように身体は出来ているように見えますが、支えるというよりも、繊細な動きが出来るように、骨や靭帯・筋肉は配置されています。
猫背は背骨だけに問題があるのではなく、全身の問題が関係してくるのです。
猫背の本質的な改善を目指した施術は、関連した全身からの影響を整えていくことが重要です。
まずはじめに背骨の土台である骨盤と、背骨の骨の連結である脊柱全体からしなやかさを取り戻すように動作改善を整えます。
その上で、頚椎がまっすぐになってしまうような全身とのつながりをもった筋連帯という筋肉を膜で包んでいる部分の緊張を解除していくことや、ご自身でも取り組める所作や姿勢の改善を考慮した関節トレーニングなどを合わせてやっていただきます。
せっかく整えたとしても、自らで悪くするような動作や所作があれば、時間がいくらあっても足りないため、改善のための近道を一緒に探していきましょうというスタンスを取っています。
まとめ
猫背は生まれつきではなく、生活習慣からくるものがほとんどです。正しい姿勢、座り方を知り日ごろから意識してみましょう。また、腹筋や背筋などの体幹の筋力を維持するためにも、「歩行」は全身運動ですのでとても大切です。
当院では身体の左右バランス、骨盤の傾き、立ち姿勢のチェックはもちろん、歩き方もアドバイスさせていただいております。高齢の方で骨の変形が進んでしまった場合には、元に戻すということはできませんが、当院の施術により骨盤の機能を取り戻すことで、全身のバランスが整い、余計なところに負担がかかることもなくなるので、筋肉のコリも解消され、背筋が伸びて歩きやすくなります。
猫背は改善が見込めますので、お気軽にご相談ください!
当院の施術は身体に負担が少なく痛みもほとんどないので、どなたでもお受けいただけます。もちろん小学生や中学生でも大丈夫ですので、お子様の姿勢が気になっている、という保護者様がいらっしゃいましたら、どうぞお問い合わせください。
姿勢が整うことで血流改善にもつながります。集中力・やる気UPや、スポーツのパフォーマンスUPにも効果が期待できます!
猫背は百害あって一利なし!
みなさんもこの機会にご自身の姿勢をチェックしてみてくださいね!
引用
https://www.mediaid-online.jp/clinic_notes/information/1282/
https://kaigo.homes.co.jp/tayorini/report/experience005/